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LinkRingBlog

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最近話題の『マインドフルネス』とは何か?基礎知識と効果、実践方法をまとめてみた。

最近、耳にすることが多くなった『マインドフルネス』という言葉。書店の一角に『マインドフルネス』コーナーが設置されていたり、テレビで取り上げられたりもしている。

 

また、Googleのマインドフルネスをベースとした研修プログラムSearch Inside Yourself(SIY)を書籍にしたこちらの本は、日本でもベストセラーとなった。

 

 

今回はマインドフルネスとは何か?といった点から、その効果、実践方法についてもまとめようと思う。

 

まとめに当たって、こちらの本から多くを参照させて頂いている。

 

 

この本は現在出版されている多くのマインドフルネスに関する書籍と、ある点で一線を画している。それは、脳科学的な裏付けを元にマインドフルネスの解説がされている点と、物語調で、しかも平易な言葉で書かれていて非常に読みやすい点だ。

個人的には、マインドフルネスの入門書として最もオススメしたい一冊だ。

 

前置きが長くなってしまったが、まずはマインドフルネスとは何かについて書いていこう。

 

マインドフルネスとは?

Wikipediaによると、マインドフルネスは下記のように説明されている。

マインドフルネス(英: mindfulness)は、今現在において起こっている内面的な経験および外的な経験に注意を向ける心理的な過程である。瞑想およびその他の訓練を通じて開発することができる。
マインドフルネスの語義として、今この瞬間の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れることであるとか、特別な形で、意図的に、評価や判断とは無縁に、注意を払うことであるといった説明がなされることもある。

出典:マインドフルネス - Wikipedia

 

お世辞にも分かりやすい説明とは言えないが、マインドフルネスを理解する上で重要となるキーワードがこの説明には含まれている。

それは『いま、ここ』という言葉だ。

 

例えば、自分が「ぼーっとしている」と思っている瞬間、あなたは本当に「ぼーっとしている」だろうか?よくよく考えてみると、明日やらないといけないこと、今日失敗したこと、数ヶ月前に上司から怒られたこと、来週のプレゼンがうまくいくか、次の土日の過ごし方、今日の夕食、将来どうなるのか、昔付き合っていた恋人のこと…などなど様々な雑念が頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返しているのではないだろうか?

 

マインドフルネスは、このように過去から未来をさまよう意識・心を、『いま、ここ』に集中できるようにする過程のことを言う。

 

なぜ『いまここ』に意識を向けるのか?マインドフルネスを実践する理由

ここでひとつ、疑問に思うのが「なぜ『いま、ここ』に集中できるような状態を目指すのか?」という点だ。

これを説明するために、心が過去や未来を迷走してしまっているときの脳の動きについて書こうと思う。 

 

心の迷走(マインド・ワンダリング)とストレスの関係

過去や未来にあれこれ考えを巡らせてしまう状態を『マインド・ワンダリング(心の迷走)』と呼ぶ。

そして、2010年に実施された、ハーバード大学の心理学者マシュー・キリングスワースらが行った大規模調査によると、人がマインドワンダリングの状態にある時間は、生活時間の実に47%(起きている時間の約半分!)にも及ぶという結果になった。

参考:キラーストレス―心と体をどう守るか (NHK出版新書 503)

 

そして近年の研究では、マインワンダリングの状態が継続すると、ストレス反応も継続し、どんどん脳を蝕んでしまうということがわかってきたのだ。

 

脳は常に活動し、エネルギーを消費し続けようとする

人がマインドワンダリングの状態にあるとき、外から見るとその人は『ぼーっと』しているように見えることがある。目の前で起きていることがらに注意が向いていないためだ。

しかし、ぼーっとしているときにおいても、脳は活発に活動しようとする。このときに活動している脳の領域が『デフォルトモードネットワーク』だ。

 

▼黄色〜オレンジ色の領域がデフォルトモードネットワークだ。

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出典:コホートのご紹介 | 脳とこころの研究センター

 

そして注目すべき点は、このデフォルトモードネットワークは大食漢だということ。デフォルトモードネットワークのエネルギー使用量は、なんと脳の全エネルギー消費のうち60〜80%を占めると言われている。

 

このように、マインドワンダリングの状態は、ストレス反応の継続やデフォルトモードネットワークの過剰活動を引き起こしてしまう。そしてデフォルトモードネットワークの過剰活動は疲労として身体に現れる。

 

現代人は、過去の失敗や未来の不安に注意が行き過ぎていることでマインドワンダリングの状態・時間が長く継続しており、その結果ストレスや疲労を感じやすくなっていると考えられるのだ。

 

そこで『いま、ここ』に注意を向けることでマインドワンダリングを回避し、ストレス物質の分泌やデフォルトモードの過剰な活動を抑制する。

その結果、脳を休ませたりストレス反応を軽減し、疲労やストレスを感じにくくすることができるようになるのだ。

  

コラム1:マインドフルな状態

マインドフルネスは『マインドフルな状態』と置き換えることができる。それではマインドフルな状態とはどのような状態だろうか?これは、先に参照した書籍『キラーストレス―心と体をどう守るか (NHK出版新書 503) 』であげられている例が分かりやすい。

 

「○○に気をつけてね』と英語で言うときに、”Be mindful"という表現がある。こんな言葉をかけら彫っる人は、例えば、ボーッとしながら道を歩いている私のような人だ。そういう人が、”Be mindful"と声をかけられると、「はっ」と我に返り、目の前でおきつつある危険の存在に気付かされる。この「はっと我に返った状態」「今の現実に注意が向いた状態」こそが、マインドフルな状態、すなわりマインドフルネスだ。

参考:キラーストレス―心と体をどう守るか (NHK出版新書 503)

 

この例をもとにするとマインドフルな状態(マインドフルネス)という点の理解がしやすいのではないだろうか。

  

コラム2:マインドフルネスで得られる効果

マインドフルネスで得られる効果として、次のようなものが期待されている。

  • 集中力の向上…1つのことに意識を向け続けることができるようになる。
  • 感情調整力の向上…ストレスなどの刺激に対して、感情的な反応をしなくなる
  • 自己認識への変化…自己へのとらわれの減少、自己コントロールの向上
  • 免疫機能の改善…ウイルス感染などに対する耐性、風邪をひきづらい

出典:世界のエリートがやっている 最高の休息法

 

マインドフルネスは、燃え尽き症候群や、うつ病などにも効果が見られたという。報告された様々な研究成果は下記書籍にてわかりやすく解説されている。

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

爆発的に広がるマインドフルネス

ちなみにマインドフルネスの起源は仏教にある。それが、西洋に持ち込まれ、発展していく過程でもともと備わっていた宗教性は排除されていき、実用面に比重が置かれていった。近年、科学的な実証実験を元に効果が裏付けられていっている。

 

そしてマインドフルネスは現在、多くの企業で取り入れられている。グーグル、シスコ、フェイスブック、パタゴニアなど世界を代表する企業で実践されている点にも注目したい。

また、現世界ランク1位のテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチや、アップル創業者のスティーブ・ジョブズも瞑想の実践者として有名だ。

 

実践!マインドフルネス

最後に、マインドフルネスの実践方法について簡単に書いていこうと思う。ただその前に、マインドフルネスの3つの経験段階について書いておこう。 

マインドフルネスの3つの経験段階

マインドフルネスの過程には3つの経験段階があると言われている。これについては、先に紹介した書籍から引用しよう。

マインドフルネスには3つの経験段階があると言われておる。初期はいまここに注意を向けることに躍起になっている段階。中期はこころがさまよったことに気づき、いまここへと注意を向け直せる段階。<<中略>>そして最終段階が、努力せずともつねに心がいまここにある状態じゃ。

出典:世界のエリートがやっている 最高の休息法

実際にマインドフルネスをやってみると分かるのだが、『いま、ここ』に意識を向け続けるというのはけっこう難しい。雑念がつぎつぎに湧いてくるのだ。しかし、これはいまここに注意を向けようと躍起になっている第一段階。

継続していくことで、第二段階、第三段階へと進歩していくことができる。あせらずに継続していくことが大事だ。

 

ただひとつ、注意をしておきたい点は、現在、うつ病などの治療を受けている方は、自分だけの判断で始めず、医師に相談してからにすること。

処方されている薬を自分の判断で中止し、マインドフルネスに注力するなどはもってのほかだ。

 

それでは最後にマインドフルネスの実践方法のひとつ、マインドフルネス呼吸法について書いていく。

 

マインドフルネス呼吸法のやり方

マインドフルネスの実践方法としては、

  • 呼吸法
  • ラベリング
  • 瞑想

など様々なものがあるが、ここではマインドフルネス呼吸法のやり方について書こう。やり方は下記手順の通りだ。

1.背筋を伸ばして力を抜いて座る

まずは背筋を伸ばして力を抜いて椅子に座ろう。目は開いていても良いが、個人的には閉じたほうがやりやすいと思う。

 

2.呼吸に注意を向け、呼吸をあるがままに感じる

次に呼吸に注意を向け、呼吸をあるがままに感じる。呼吸によって、胸が膨らんだりしぼんだりする感覚に注意(気づき)を向けると良い。

 

3.湧いてくる雑念や感情にとらわれない

マインドフルネス呼吸法をやっている最中も、もちろん雑念は浮かんでくる。ただ、雑念が浮かんでくることに対して、自分を責めずにゆっくりと呼吸に意識を戻そう。「雑念が浮かんだ」という事実に気づくことが大切だ。

 

実際にやってみると、頭や心がスッキリするような不思議な感覚を得られると思う。1日、5分でも10分でも良いのでぜひ毎日続けてみよう。そして、過去の失敗や未来の不安に振り回されないストレスに強い脳を手に入れて頂ければと思う。

 


推薦図書1:世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

 

マインドフルネスについて勉強する上でオススメなのはこの本。なぜこの本をオススメしたいかというと、

  • 物語調で書かれていて思わず引き込まれてしまう
  • マインドフルネスについて科学的な成果を元にして解説してくれる
  • しかも平易な言葉で書かれていて分かりやすい

という3点が挙げられる。

 

マインドフルネスについて色々と本は出ているが、どれも詳しすぎたり、逆に簡単過ぎたりする本が多いのだ。せっかくマインドフルネスが宗教性を排除して科学的な裏付けを元に進歩している方法論にも関わらず、やたらと仏教の考え方を引用して『雰囲気』で語っているような印象を受ける本も多い。

 

例をあげると、マインドフルネスを取り入れるべき理由について『いまここに集中出来ていないなんて人生もったいないじゃありませんか』のような文章で書かれている本もある。(それは著者様の価値観ですよね…と思わずツッコミたくなってしまう)

 

それに比べて、この本は科学的な研究成果を元にマインドフルネスの効果や考え方を解説してくれるので、納得が行きやすい。

本記事で紹介しきれなかった

  • マインドフルネスとゾーン(フロー)との関係
  • マインドフルネス瞑想以外のマインドフルネス実践方法

などの話も多く盛り込まれている。

マインドフルネスに興味がある方の入門書として、ぜひお勧めさせて頂きたい。